インタビュー

【INTERVIEWS】「震災で受けた恩返しのために、僕は上海に来たんです。」上海体育学院大学院 中野拓也さん

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現在中国・上海体育学院大学院に通われている中野拓也さん。

 

実は中国へ進学することを決めたのは、「ある方への恩返し」だったそうなんです。

大学卒業間近になって、中国への進学を決めた理由とは?

卓さんの中国にかける思いを伺いました!

僕は恩返しのために上海に来たんです。

鈴木:ご自身の自己紹介をしていただけますか?

 

中野:福島県の双葉町出身です。大学時代は仙台大学で体育の教員になるための勉強をしていました。なんで体育の教員になりたかったかというと、中学生時代の体育の先生ですごくアツくて、カッコイイ先生がいて、子供ながらにそんな先生になりたいなっていう憧れをもったからなんです。

 

鈴木:今は上海でどんなことをされているんですか?

 

中野:現在は上海体育学院大学院でスポーツマネジメントを学んでいます。サッカークラブなどの運営側に必要とされる勉強ですね。

 

鈴木:私の勝手なイメージなんですが、教員を目指す方って大学を卒業されてすぐに採用試験を受けられる方が多いような気がするんです。でも卓くんが大学院でスポーツマネジメントを勉強しようと思ったのはなぜなんですか?しかも上海で?

 

中野:まずなんで上海だったかというと、元々中国の文化とか歴史に興味があったんです。大学時代にも中国語を第二外国語として学んでいたんですね。その時に日本の大学生200人くらいで中国を訪れる訪中使節団に参加をして一週間ほど中国に滞在しました。その滞在で中国人何人かと仲良くなって連絡先を交換していたんですけど、それ以降は特に連絡とかは取っていなかったんです。

その後2011年に震災が起こって、僕が住んでいた双葉町は悲惨な状況に陥ってしまったんです。当時は本当に辛くて、とても落ち込んでいました。そんな時に中国で仲良くなった子から

 

「全てが無くなってしまっても、君には未来が待っている、だから頑張ってくれ!」

 

ってFacebookを通じてメッセージが来たんです。僕はその一通のメッセージで本当に救われたんですよ。それと同時に今まで特に連絡を取っていたわけではないのに、いきなりそういう風に励ましてくれるなんてなんて優しい人なんだろうって感じたんです。その時に、僕は僕のことを救ってくれたこの中国人の友人に恩返しがしたいって思ったんです。ただどうやって恩返しをすればいいか考えた時に、この友人に対してだけ恩を返すわけではなくて、中国と日本の両方の国に対して良い結果を生み出すようなことをしたいなって考えたんです。

 

正直2008年に使節団で中国に訪れる前は、中国人のイメージというのはそれほど良いものではありませんでした。よくニュースでやってますけど、反日感情があるとか暴動が起きているだとかそういったイメージしかなかったんですね。

しかしながら、実際に中国を訪れて感じたのは、ニュースでやっているような中国人の姿は全然違うものだなということだったんです。だからこそ僕は大学を卒業する目前になって、中国への留学を決めてさらにそこから大学院への進学をしたんです。まだまだ僕がしていることは規模でいったら小さいことなんですが、中国人と日本人がそれぞれお互いのイメージというものを、メディアで作られた悪いイメージから実際はそうではないという有りのままの姿への転換をしてもらえるようなことをしています。

中国人にとっても、メディアで報道される日本人というのはやはりあまり良いものではないそうです。それを、実際に中国人と日本人が触れ合えるような機会を作って、お互いがコミュニケーションを図る中でお互いの良い部分も知ってもらって欲しいと思っています。

 

日本と中国の架け橋になりたいと思った。

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鈴木:具体的にはどういったことをされているんでしょうか?

 

中野:大学において、日中友好団体を立ち上げてそこで日本人の留学生と中国の学生がコミュニケーションを取れるような機会を作ったり、日本に関するイベントがあれば学校内でそれを告知して、中国の学生に関心を持ってもらえるように働きかけています。

 

鈴木:今中国に住んでいて、中国のここがいいという部分などはありますか?

 

中野:人が本当に温かいです。日本人は中国人のことを乱暴だとか横暴だなんていう風に言う人もいますけど、日本人と同じように温かいし優しいですよ。それに、中国の場合は一度仲良くなったらお互いのことを「兄弟」っていう風に呼ぶんです。日本だと仲良くなっても兄弟なんて呼ぶことはないじゃないですか。でも中国の場合は仲良くなったら兄弟になって、お互いが困っていたら助け合うんです。僕自身も中国生活の中で、本当にたくさんの場面で友人に助けてもらいました。

 

勇気があれば、語学が出来ないのは二の次です。

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鈴木:現在、日本人の若者が海外離れをしていると言われ、日本に留まることを好む人が多いと言われることに関してどう思われますか?

 

中野:まず、とても勿体ないなと思います。僕自身は中国に来たことで、とても視野が広がったと感じています。これは実際に中国で生活をしたからこそで、日本にいたら経験できなかったことです。

語学ができないだとかそんなことは二の次です。僕自身も中国に来たばかりの頃は全く話せませんでした。笑 でもちょっと勇気を出せば海外に出てみることはそんなに難しくありません。みんなは自分自身で自分の可能性を狭めていると思います。アメリカやヨーロッパに行かなくても、中国や東アジアならすごく日本から近いですしね。

 

鈴木:卓くんの今後の目標について教えてください。

 

中野:大学生の頃は体育の教員になることだけを考えていました。しかしながら今中国で多くのことを経験し、一度社会に出て働いてみたいなと考えています。それこそ海外で働いてみたいですね。そして多くの経験をした後に、僕は中国に携わりながら働いて、さらに中国と日本の友好を結んでいきたいなと考えています。

 

鈴木:きっと素晴らしい架け橋になってくださいますね。本当に貴重なお話をありがとうございました!

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著者プロフィール︎

20160707165740

鈴木太郎(Suzuki Taro)

旅するフリーランサー、1989年8月13日生まれ。 サントリーに3年勤務後退職し、海外で活躍する日本人をインタビューしながら世界一周をするプロジェクトを実施。 アメリカDisney Worldスタッフ、サントリー酒類営業、MATCHA地域統括マネージャーなどを経て、現在はフリーランスとして活動中。Webサイト制作やWebメディアでのライターなどをしています。パリ在住。

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