インタビュー

「普通の人は自分の安全地帯から出ることに躊躇します。でもそこで躊躇して留まっていたら、そこから進歩するなんてことはあり得ません。」声のスペシャリスト MIMIさん

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5スターホテルと契約するジャズシンガーであり、話し声のボイストレーナー、またラジオのパーソナリティーなど様々なジャンルで活躍されている、「声のスペシャリスト」MIMIさん。

元々はキャリアウーマンだったMIMIさんが、タイに来て命を狙われるなどの壮絶な経験をし、そこから自分で声のスペシャリストとしてのキャリアを切り開いていったお話を伺いました。

 

大手銀行員からタイへの移住が物語の始まり、そこから壮絶な人生へ

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鈴木:MIMIさんのこれまでの経歴について簡単にお話いただけますか?

MIMI:元々大学を卒業してから大手の銀行に入社したんです。私としては英語をずっと勉強してきて、仕事もとにかく英語が使いたいと思ってその銀行に入社したんですね。ただ実際入社してみたら英語を使った仕事はできるものの、仕事はとにかく細分化されていて。自分がやっている仕事の範囲の狭さに嫌気がさして、入社1年ちょっとで辞めました。笑 そしてその後は中小のアパレル企業で働きました。アパレル業界にいた時は、薄給でしたけどパリコレに行けたり、海外出張なんかもバンバン任せてもらえて本当にやりがいがありましたね!その後、縁あってタイに移住して現在で20年以上になります。

鈴木:タイにきたきっかけを教えて頂けますか?

MIMI:タイにきたのは結婚がきっかけなんです。日本で働いていた時にお休みでタイのサメット島に行ったんですね。そこである日本人の男性に出会いまして、その後その方とタイで結婚しました。タイには旅行で何度か来ていて好きだったんですが、まさかタイに移り住むとはその時まで考えていませんでした。

鈴木:タイに移住されてからはどのような生活を過ごされていたんですか?

MIMI:最初は大変でしたねー。笑 本当にお金もなくて安いアパートで新婚生活を送りました。私も働かなきゃって思ったけどタイ語はできないし、タイ人からしたら私なんてぼったくりの最高のターゲットだったと思います。ただ、色々あって夫が自分で事業を起こしたんですね。そうしたら良いビジネスパートナーに出会うこともできて生活水準も上がっていったんです。一応社長夫人ですね。笑 ちゃんとお金が入ってくるようになって良いおうちに住んだりもしたんですよ、部屋でバドミントンできるくらい大きかったりして。笑

ただ幸せな時間は短いもので、、、夫の事業が下降気味になってきてしまったんです。

夫のビジネスは不動産業だったんですが、不動産業ってちょっとグレーな部分もあったんですよね。トラブルがあって夫も私も命を狙われるようになったんです。本当ですよ!笑 当時私たちにはボディガードで警察の方がついていましたからね。笑

夫と一緒にいると危ないので住む場所も別々にし、私は子供と一緒に二人で住み始めたんです。

その後はどうしてもお金が無くて夫からの援助も受けられない状態でした。なので私がフルタイムで働かなきゃなと!

それまでにタイ語も大分堪能になっていたし、ここまで修羅場を潜ってきたということもあって、幸いにもシルバー関係の現地社長をさせてもらったり、工業団地にある日系企業で働くことができたんです。

ただ不幸にも、その頃に別居していた夫が事故で亡くなったんですね。

子供と二人だけになってしまってとても辛い思いもしました。ただ幸いなことに、暮らしていくという部分では日系企業で働きが認められたおかげで私は経済的に自立できていたんです。そこからは子供のために学校や教育のために、一人で一生懸命働きましたね。

 

昼間はキャリアウーマン、夜はシンガーという生活 

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鈴木:本当にパワフルな人生を過ごされているんですね。ちなみにここまでのお話ですとバリバリのキャリアウーマンという印象ですが、現在のように音楽の仕事を始められたのはいつ頃からだったんでしょうか?

MIMI:実は日系企業で働いていた時から、ちょこちょこ地元のギタリストの方たちとバーなんかでデュオでやらせていただいてました。なので声関係のお仕事はいずれやりたいなぁと思っていたんですよ。そして当時はバンコクで日本人で歌手をやっていた方ってほとんどいなかったんです。ある時に日本人・タイ人の混合ジャズバンドからシンガーが抜けてしまって、その時に私に声をかけていただいたんですよ。そのバンドのメンバーも数人は昼間は仕事をしていて、夜だけホテルなどで活動をしていたんです。週に2〜3回のライブが入っていて、仕事が終わったらホテルで夜の0時までライブをして、また朝5時半に起きて仕事に行く。仕事が終わったらまた準備をしてライブに行くっていう日常を送っていました。

鈴木:二足のわらじでの活動だったんですね。

MIMI:でもやっぱり声の仕事をメインやっていきたいって思っていたら、ご縁で日本で話し声のボイストレーナーをやっている方と繋がったんです。その時、私としては「あ、この方とお会いするのが運命だったんだ!」と感じたんですね。その方がバンコクにボイストレーニングの体験会で来ることがあって、午前午後の部の両方に出て、次の日にはトレーナーになるために必要な資金とか準備とか整えて弟子入りしに行きました。笑 それが約2年ほど前のことですね。

鈴木:すごい熱意ですね!弟子入りをお願いされた先生も驚かれたんじゃないですか?

MIMI:正直、弟子入りしに行った時には、会った翌日に現金を用意してくるのはMIMIさんくらいですって言われましたよ。笑 それからは一念発起して会社も辞め、昼間は話し声のボイストレーナーとして学び・人にも教えつつ、夜は今までのように色んな場所で歌わさせていただいていました。やっぱり人間は努力しているといいご縁にも恵まれるもので、今や、世界を舞台に活躍されているタイのナベサダさんのような人に出会うことができたんです。ある時その方のホテルでのライブにお客として行きまして、そうしたら共通の知り合いがいていきなり私のことを舞台に上げて歌ってみろと。「唄いに来たんちゃうのにー、無理、無理―!」って思ってましたけど。なんとかやり切りました。笑 その後も色んな方からお声掛けいただき、ホテルやバーで歌わさせて頂ける機会を頂きました。 昨年、今年とタイのジャズフェスの日本代表として歌わさせて頂きましたし、そして実は先日、日本人で初めて5スターホテルのレギュラーシンガーとして選んでもらうことができたんです。実は駆け出しのジャズシンガーをしていた時に、自分が口に出してやりたいと言っていたことががほとんど叶ってきています。大きなフェスで歌うだとか、5スターホテルで歌うだとか。なので自分の想いを言語化するっていうのはすごく大事だと思いますね。そしてここまで周りの色んな方に歌わさせてもらう機会をたくさん頂いてこういった場所までこれましたので、本当に皆さんに感謝したいということと、さらに頑張っていかなければなと思っています!

 

成長はComfort Zoneを出ることから始まる。

鈴木:これまでシンガーとして成果を出し続けるため・ステップアップをする上で、気をつけたことなど何かあったのでしょうか?

MIMI:先入観で物の判断をしないってことですね。先入観で物の判断をしないっていうのは、自分自身がここまでしかできないっていう壁を設けて、その先のことに挑戦しないままではだめだということです。人間はComfort Zoneと呼ばれる自分自身の安全地帯、自分ができることしかない場所にいるととても楽なんです。でもそこを自分から出ようと努力する、例えば私でいったらいきなり5スターホテルで歌わされるなんてことは、自分の持っているもの以上の実力や度胸を求められることで大変なことなんです。そして普通の人は安全地帯から出ることに躊躇します。でもそこで躊躇して留まっていたら、そこから進歩するなんてことはあり得ないんですよね。なので自分の殻を破っていこうということはずっと私の中に持ち続けています。

 

日本での常識は、海外での非常識になりうる。

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鈴木:殻を破るといった点では、日本から海外に飛び出していくといったことにも共通しているものがあるかと思います。日本人の若者の内向き思考が増えていると言われている昨今ですが、その点に関してはMIMIさんはどう考えますか?

MIMI:私の個人的な考えとしては、学生の時や早ければ早いうちに海外に出て、自分の国とは違った考えの人たちがいるという事実を見て欲しいと思います。私は19歳の時に初めて海外に1ヶ月のホームステイをしに行きました。正直新しい文化に触れる中でカルチャーショックもありましたね。でもその経験があったからこそ、そこからしっかり言語を学ぼうと思いましたし、言語はその国の文化の一部なので文化も理解しなきゃと思うようになりました。文化が違うと考え方も違いますよね。世の中にはたくさんの考え方があって、日本人の考え方が必ずしも一番ではないんだよ、ということを若いうちに知っていた方がいいと思います。

さらに言うと日本の若者は、日本の文化圏の中だけで働くのではなく多国籍の人がいる場所で働いたほうがいいと思います。日本人しかいないところで働いたら、日本人の攻略法しか学べないですよ。それに言葉は悪いですが、媚びを売って査定にいい評価を貰うっていうサラリーマン的な発想しか得ることができないということです。でも多国籍の人の中で働いたら、個人の実力こそがすべて。だって上司に媚びを売るなんてことはこっちの世界ではあまりないのですから。もし今働いている会社をクビになった時に、外国の会社ですぐ仕事をやっていけるか考えたら、日本人の多くの方は外国企業で戦う能力は無いと思います。こういった点を踏まえ、将来外国人のいる企業で、同等に働く機会も見据えて、世界に早いうちから身をおいた方がいいと私は考えます。新しいことをやらないことには、成長はありえない。もちろん殻を破らず、マイペースで自分の楽な領域で仕事をするのも一つの選択です。しかし、覚悟を決めてコンフォートゾーンの外に踏み出す人が、そこからさらに努力して自分のやりたいことを実現していく切符を手に入れる確率が高いと言えます。

鈴木:やはり色々な経験をされて、自分で自分の道を切り開いてきた方は言葉の説得力が違います。最後となりますが、読者の皆様へメッセージをお願いいたします。

 


声のスペシャリスト Mimiさんインタビュー

 

MIMIさんのご好意で、私がMIMIさんの担当されているラジオに出演させてもらった時の話はこちら!

「突然ですが、明日タイのラジオへと出演します!!!」

 

 

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著者プロフィール︎

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鈴木太郎(Suzuki Taro)

旅するフリーランサー、1989年8月13日生まれ。 サントリーに3年勤務後退職し、海外で活躍する日本人をインタビューしながら世界一周をするプロジェクトを実施。 アメリカDisney Worldスタッフ、サントリー酒類営業、MATCHA地域統括マネージャーなどを経て、現在はフリーランスとして活動中。Webサイト制作やWebメディアでのライターなどをしています。パリ在住。

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