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「海外に出たくなければ出なければ良い、その分すでに出ている人たちが目立つことできるから」JCREATiON Managing Director 清弘文哉さん

世界一周 インタビュー タイ インタビュー-タイ タイ-バンコク インタビュー-アジア

LINEスタンプやスマホゲームのキャラクターデザイン、皆さんはそういったものがどこで生みだされているか知っていますか?

そういったデザインは、決して日本国内だけで日本人のデザイナーが描いているわけではありません。タイのバンコクにて、日本の企業向けにそういったイラストデザインを描くデザイン会社があります。

日本企業に勤めたのち単身タイに渡り、ある出会いから現地にデザイン会社を立ち上げてしまった、JCREATiON Managing Director清弘文哉さんにお話を伺いました。 

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全くの業界未経験からデザイン会社を設立

鈴木:清弘さん、よろしくお願いいたします。それでは、現在のお仕事内容について教えていただけますか?

清弘:デザイン会社を運営しています。ゲームキャラクターやLINEのスタンプなどのイラストをメインに、Photoshopでできることならなんでもやってますね。デザイナーは全てタイ人です。指導者として日本人もいますが、あくまでも指導をした上でチェックをする側なので仕事はタイ人の方に任せています。

鈴木:なぜタイで日本のイラストをやろうと思ったんですか?

清弘:元々日本の企業で人事として働いていたんです。が海外でチャレンジをしたくて辞めてタイにきました。来た当初はタイのスタートアップで働きたかったのですが、いろんな人を紹介していただく中で投資家の人にお会いしました。そこでタイには腕の良いイラストレーターがたくさんいるから一緒にやろうと誘っていただきました。それがイラストをやろうと思ったきっかけです。

 

日本で3年も働くなんて考えられなかった

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JCREATiONが手がけたイラストデザイン

 

鈴木:縁が重なったんですね!でもなぜタイが良かったんでしょうか?

清弘:実はタイに来る前に、学生時代に2年間休学をしてオーストラリアやカナダでワーホリをしたり、ニューヨークの広告代理店でインターンをしたりしていました。そこでの経験が自分の中で大きく日本よりも海外で働きたいと思うようになりました。その2年間が終わり、復学後にバックパッカーでアジアを周り、魅力を強く感じました。僕はそれまで先進国の都会ばかり行っていたので街がすごいスピードで成長しているように感じたからです。加え、足りないものばかりでビジネスチャンスも多いんだろうなと思いました。最後にタイにした最大の理由はタイサッカーが面白そうだったからです。良く観に行ったり、フットサルしたりしています。笑

鈴木:ちなみにアジアの他の国なんかは周らなかったんですか?例えばシンガポールやジャカルタなんかもすごく発展してますよね?

清弘:シンガポールは行きました。ジャカルタは行っていないのでなんとも言えないですが、僕はシンガポールのワークパーミットが取れないんですよ。というのもシンガポールのワークパーミットを取るためには日本で3年働かないといけないんですね。僕は日本の企業に24歳で入社したんですが、3年も働いたら年齢・家族などなど色々と動きずらくなる要素が増えてくると思ったからです。あとこの若い期間に3年も日本で働きたくなかったんです。笑 行きたい気持ちがかなり強かったです。

鈴木:ちなみにどのくらい勤められたんですか?

清弘:大体1年半くらいですね。それに3年も働いたら辞めさせてくれないと思うんですよね。特に僕は人事だったので特に辞められないなと。笑

 

どんなことでも一から始めるのは大変、ならば最初から大変だと思うものを選びたい 。

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鈴木:タイで投資家の方に出会って、そこから会社を立ち上げる中で大変なことはなにかありましたか?

清弘:僕は2013年の12月にタイにきて、それから会社を立ち上げたのって2014年の3月なんです。ちなみにタイに来たばかりの頃というのはタイ語学校に通っていて、実際に投資家の方にお会いしたのは1月だったので、準備期間は2~3月の1ヶ月間だけでした。笑

鈴木:そんなすぐに会社って立ち上げられるものなんですか?

清弘:一緒に手伝ってくれる良い会計会社さんに出会ったので問題ありませんでした。書類などはすべてタイ語、そしてタイのルールなので自分一人の力で立ち上げるのはとても大変ですが、こういった人・会社を見つけることができればそこまで難しくはないと思います。

鈴木:私としては、このデザイン会社っていう全く未経験の分野で、ご自身が責任者になるっていうのはだいぶ大変な決断だなと感じるんですが、その辺りはどのように考えていたんですか?

清弘:そうですね。でも僕個人としてはそこまで重い決断だと思っていないんです。お金の部分はその投資家の方に負担をしていただいているということと、仕事に関しては割と好きにやっていいよと仰って頂けているので。笑 それにどんな領域を選んでも一から仕事を作るっていうのは大変なことだと思うので、それならば最初から大変なことをやってやろうと思ってましたからね。

鈴木:現在のワークライフバランスはいかがですか?

清弘:ワークライフバランスでいったら日本よりもだいぶ良くなりました。笑 例えば通勤時間でいったら、日本の4分の1になりましたし、働いている時間でいっても日本では23時過ぎまで働いていたのが今はもうほとんど19~20時くらいには帰っています。

鈴木:もし投資家の方に出会っていなかったら今はどうされていたと思いますか?

清弘:そうですね。もし今の会社を立ち上げていなかったら、どこかのスタートアップに入社していたと思いますよ。タイに来る前に、Facebook上で友人にタイに知り合いがいないか呼びかけたんです。そうしたら30~40人ほど紹介して頂けまして。笑 語学学校に行きながら毎晩人に会っていましたしからね。笑 もしかしたらその中のどなたかと一緒に仕事をさせてもらうことになっていたかもしれませんしね。

 

海外に出たくなければ出なければ良い、その分すでに出ている人たちが目立つことできるから。

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鈴木:清弘さんみたいな生き方をされている方って周りも大勢いらっしゃるんですか?

清弘:全然いますよ!ゴロゴロいます。笑  

鈴木:そうなんですね!同世代でそうやって活躍されている方のお話を聞くと、とても刺激を受けます!現在日本では若者の内向き志向が増えていると言われていますが、海外に出て行こうとしない若者についてはどう思われますか?

清弘:別に出ていかなくて良いんじゃないですか?笑

鈴木:え、日本にいた方がいいということでしょうか?

清弘:だって若い人が出ていかないなら、すでに出ているひとが目立つことができるから良いと思います。みんな出てきたら僕は困りますよ。笑 

鈴木:それはビジネスとしてってことですよね?笑

清弘:そうですね!日本でイケてる人たちがどんどん出てこられるとキツいですね。笑 けど、なんで若い人たちは出てこないんだろうなと思いますね。

鈴木:なんでそう思われるんですか?

清弘:僕の意見ですが結局日本は労働力が足りなくて、将来的には移民を増やすか自分たちが外に出てGDPを増やすか逃げ道がないと思うんですね。特に僕たちの世代だったら日本だけで完結する仕事っていうのはどんどん減ってくるじゃないですか。その中で、若くていろんな経験ができるうちに、ビジネスのために日本の外に一回も出ないというのは選択肢としてあんまりないなと思います。それくらいやっておかないと、近い将来海外と仕事ができないなんてありえない時代になっていると思いますし、それならば今海外にでて今後のリスクを減らしておかないとだめだと思いますね。ちなみにこれは英語が喋れる・喋れないということではなくて、ビジネスを外でやるかやらないかということです。それに仕事を頑張るというのは当たり前のことですけど、どうせ頑張るなら日本より海外で頑張った方が周りがちゃんと見てくれますし、僕は海外で頑張りたいって思いますね。日本の中に日本人は1億人もいるわけだし、同じだけ頑張っている人はたくさんいると思います。でも海外で日本人でこれだけ頑張っているって言い切れるくらい頑張っている人はちゃんと目立つこともできますし、アドバンテージになると思います。

鈴木:自分がビジネスの中で成長していくためには、有利に立てる場所を選ぶことも大切だということですね!今後の事業の目標などはありますか?

清弘:今は日本相手だけに事業をしていますけど、タイのイラストレーターの方の中には日本向けのアニメ系の絵ではなくて、アメリカ向けのリアルな絵が得意な人も大勢いるんですね。だからそこで日本以外の場所へもイラストを売り分けていきたいと考えています!

 

あとがき

きっと日本人向けの商品を作ろうと考えたら、多くの人は日本の中に会社を作ると思います。それはきっと、日本人が好きなものは日本人が作った方が良いと考えるステレオタイプな意見がまだ残っているから。

しかしながら日本人が好きだと思うものは、すでに外国人だって好きだったり海外に浸透していて、それを作れる人や場所が存在する。だからこそ海外で日本向けの製品を作って逆輸入をする。コストでいったら日本で会社を運営していくより遥かに少ない金額でできるし、それが対企業への武器になる。こういったビジネスのやり方も、すでに職業の国際化が進んでいるということなのでしょう。

私たちが考えているよりも遥かに早く、今自分たちがいるポジションがさらに優秀で人件費がかからない外国人労働者に取って代わる時代が来るのかもしれません。